Ankerモバイルバッテリー リコール一覧【2026年最新】

コラム

最終更新:2026年7月 / 情報出典:消費者庁・経済産業省・NITE・アンカー・ジャパン公式

「Ankerのモバイルバッテリーがリコールになったって本当?自分の持っているものは大丈夫?」——ニュースやSNSでその話題を見かけ、不安になってここに来た方も多いでしょう。

結論:Ankerモバイルバッテリーのリコールは実際に発生しており、現在も進行中です

アンカー・ジャパンは2023年2月以降、モバイルバッテリーを中心に複数回のリコール(自主回収)を実施しています。2025年10月21日発表分は4製品・約52万2000台規模で、同日、経済産業省がアンカー・ジャパンに対して行政指導を行いました。さらに2026年に入ってからも、リコール対象製品による火災事故が消費者庁から繰り返し公表されています。未回収のユーザーに対しては、直ちに使用を中止することが求められています。

お手元にAnker製品がある方は、まず下記の対象一覧で型番を確認してください。

本記事では、リコール対象製品の一覧(型番・対象条件・対応内容つき)、対象かどうかの確認手順、交換・返金の手続き、異常が出たときの緊急対処までを、公的機関とメーカーの一次情報をもとに整理します。

この記事の情報について
本記事は2026年7月30日時点の公開情報をもとに作成しています。リコールの対象範囲・受付窓口・対応内容は今後も更新される可能性があるため、最終判断は必ずアンカー・ジャパン公式の製品回収情報ページおよび消費者庁リコール情報サイトの最新情報でご確認ください。

Ankerモバイルバッテリー リコール対象製品一覧(2026年7月時点)

アンカー・ジャパンが日本国内で回収を継続している対象製品は、発表時期ごとに3つのグループに分かれます。対象条件・判定方法・対応内容(交換か返金か)・受付窓口はグループごとに異なるため、まず自分の製品がどのグループかを確認してください。

リコール理由は発表時期によって異なります
2023年2月発表分:製品固有の設計に起因する製造過程の不備が、十分に確認されないまま出荷されていた
2024年9月・2025年6月発表分:セル製造委託先での製造工程の不備、および同社がAnkerの品質基準を満たさない部材を無断使用していたことによる内部短絡のおそれ
2025年10月発表分:セル製造工程で特定時期に異物が混入した可能性があり、使用に伴い内部短絡が発生するおそれ
いずれも発火・発煙に至る可能性があるとされています。

2023年2月7日発表分(返金対応)

製品名 型番 公式フォーム上の対象条件 対応
Anker 535 Power Bank
(PowerCore 20000)
A1366 2022年11月17日の発売以降に購入した製品
ブラック・ホワイト・ブルー・グリーン・パープルの全カラーが対象。発売前(2022年11月以前)に購入したものは類似品のため対象外
回収・返金
返金額は一律9,990円(税込)

公式ページでは、類似する別製品も明示されています。Anker PowerCore Essential 20000(A1268)、Anker PowerCore 20100、Anker PowerCore III 20000、Anker PowerCore Essential 20000 PD 20W、Anker PowerCore III Elite 25600(60W/87W)は対象外です。20000mAhクラスの製品は見た目が似ているため、必ず本体の品番を確認してください。

この案件だけは受付窓口が別です。A1366専用の回収受付フォームから申し込みます。電話は0120-253-004(平日9:00〜17:00/土日祝を除く)です。

A1366の電話番号は情報源によって食い違っています
消費者庁リコール情報サイトには旧番号が掲載されたままになっています。現在稼働している窓口はアンカー・ジャパン公式の受付ページに記載された0120-253-004ですので、こちらを優先してください。

2024年9月・2025年6月発表分(交換または返金)

製品名 型番 公式フォーム上の対象条件 判定方法
Anker Power Bank
(10000mAh, 22.5W)
ふるさと納税返礼品「Anker 大容量モバイルバッテリー 10000mAh 川崎限定モデル」を含む
A1257 シリアルナンバーを公式フォームに入力し、対象と判定された製品 シリアルナンバー照合が必須
ふるさと納税で受け取った製品(表面にチャージングマークの印字あり)は専用フォームから手続き
Anker Power Bank
(20000mAh, 22.5W, Built-In USB-C ケーブル)
A1647 2025年6月26日までに購入した全製品 型番と購入時期で判定
シリアルナンバー照合は不要
Anker 334 MagGo Battery
(PowerCore 10000)
A1642 2025年6月26日までに購入した全製品 型番と購入時期で判定
シリアルナンバー照合は不要
Anker MagGo Power Bank
(10000mAh, 7.5W, Stand)
A1652 2025年6月26日までに購入した全製品 型番と購入時期で判定
シリアルナンバー照合は不要

A1647とA1642は、2024年9月17日にいったん販売期間とカラーを限定して回収が始まり、追加調査を経て2025年6月26日に対象範囲が拡大されました。当初は対象外だったカラーや購入時期も、拡大後は対象に含まれていますので、以前「対象外」と判定された方も改めて確認してください。

受付は2025年6月発表分の回収受付フォームから。手続きの最後に交換か返金かを選択できます。

2025年10月21日発表分(交換対応)

この回はモバイルバッテリー1製品と、同じ製造工程上の問題により同時にリコールされたスピーカー3製品が対象です。返金の選択肢はなく、交換対応のみが案内されています。

製品名 型番 公式フォーム上の対象条件 交換内容
Anker PowerCore 10000
モバイルバッテリー
A1263 2022年12月25日〜2025年10月21日
シリアルナンバーが8桁表記の製品は対象期間前の販売品のため対象外
販売終了モデルのため上位モデル Anker Power Bank(10000mAh, 30W)への交換
交換後のカラーはブラックのみ
Soundcore 3
Bluetoothスピーカー
A3117 2022年12月16日〜2025年10月21日 新品への交換
購入時と同一カラー
Soundcore Motion X600
Bluetoothスピーカー
A3130 2023年4月24日〜2025年10月21日
※ホワイトは対象外
新品への交換
購入時と同一カラー
Anker PowerConf S500
会議用スピーカー
A3305 2022年12月29日〜2025年10月21日 新品への交換

この4製品はいずれもシリアルナンバーによる判定が必要です。あわせて次の条件も公式に案内されています。

  • 2022年12月15日以前に購入したものは対象外
  • プレゼントキャンペーンなどでオリジナルのデザインが施されているものも対象に含まれる
  • 対象販路はAnker Japan 公式オンラインストア、Anker Store、Amazon.co.jp、楽天市場、Yahoo!ショッピング、家電量販店(ECサイト含む)など
  • 判定フォームは日本で販売された製品のみが対象。海外で購入した場合は購入した国の案内を確認する

なおSoundcore 3については、リコール後にアップデート版が発売されているため、外観だけでリコール対象かどうかを見分けるのは困難です。必ずシリアルナンバーで判定してください。

判定方法は型番によって違います
A1257および2025年10月発表の4製品(A1263・A3117・A3130・A3305)は、シリアルナンバーによる判定が必要です。一方、A1647・A1642・A1652は、2025年6月26日までに購入された全製品が回収対象で、シリアルナンバーの照合は不要です。A1366は品番と購入時期で判定します。
なお型番が一覧にない場合や類似製品で判断がつかない場合も、シリアルナンバーを入力すれば対象かどうかを確認できます。

受付窓口の一覧

対象型番 オンライン受付フォーム(24時間) 電話受付
A1366 ankerjapan.com/pages/a1366-support 0120-253-004
平日9:00〜17:00(土日祝を除く)
A1257 / A1642 / A1647 / A1652 ankerjapan.com/pages/202506-support
ふるさと納税分は 202506-furusato-support
0120-775-171
フリーダイヤル/9:00〜17:00(土日祝含む)
混み合っているため、公式FAQの確認も推奨
A1263 / A3117 / A3130 / A3305 ankerjapan.com/pages/202510-support

リコールの規模と経緯(時系列)

時期 できごと
2023年
2月7日
2023年1月にAnkerグループ本社から国外での発火事象の報告が入り、グローバル全体で販売を停止。設計上および製造過程の不備が判明し、A1366の自主回収を決定(発表時点で日本国内の発生は0件)。
2024年
9月17日
海外で発火事象が発生したことを受け、A1647・A1642の2製品の回収・交換を開始。原因は、委託先サプライヤーがAnkerの規定を超えて摩耗したホーンを使用し、セルの固定が不十分になったこと。
2025年
6月26日
追加調査で、サプライヤーがAnkerの品質基準を満たさない部材を無断使用していたことが判明。対象期間・カラーを拡大し、A1257・A1652を追加して計4製品・47万8002台の回収へ。
2025年
10月21日
国内で発生した発火事象の社内調査により、セル製造工程で特定時期に異物が混入した可能性が判明。A1263ほか計4製品・52万2237台の回収を発表。該当サプライヤーとの契約は終了。
2025年
10月21日
リコールが繰り返されている状況を受け、経済産業省がアンカー・ジャパンに行政指導。リチウムイオン蓄電池搭載の国内販売全製品の総点検、製造・品質管理体制、リコールの周知状況と進捗の報告を要求。この時点で消費生活用製品安全法に基づく重大製品事故報告は計41件。
2026年
1月
経済産業省が同社からの報告について「製品安全の向上に資するもの」と一定の評価。
2026年
4月24日
7月14日公表
Soundcore 3(A3117)で火災事故が発生。異音に気付いて確認したところ、製品および周辺を焼損する火災が起きていた。事故原因およびリコール事象との関連は調査中。
2026年
5月18日
5月25日
7月3日公表
A1263で火災事故が2件発生。18日は宿泊施設で使用中に異音、25日は充電中に発煙、いずれも製品および周辺を焼損。事故原因およびリコール事象との関連は調査中。消費者庁は未回収ユーザーに対し、直ちに使用を中止して問い合わせるよう呼びかけ。

消費者庁は、2026年に入ってからも複数回にわたり、アンカー・ジャパンのリコール対象製品による火災等の重大製品事故を公表しています(2026年1月6日、2月3日、4月24日、5月29日、7月14日など)。回収は現在も進行中であり、未回収の製品による事故が続いている状況です。参考として、Soundcore 3(A3117)の対象台数は9万1933台で、2026年7月13日時点の回収率は43.4%と公表されています。半数以上がまだ回収されていない計算になります。

参考:米国(CPSC)でのリコール

Ankerのリコールは日本国内に限りません。米国消費者製品安全委員会(CPSC)でも複数回のリコールが公表されており、日本の対象一覧には含まれない型番も対象になっています。海外で購入した製品をお持ちの方は、こちらもあわせて確認してください。

公表日 対象型番 台数(米国) 備考
2024年
10月17日
A1642 / A1647 / A1652 約2,100台 過熱・発火の報告28件、やけど2件
2025年
6月12日
A1263
(PowerCore 10000)
約115万台
2025年
9月18日
リコール番号 25-466
A1257 / A1647 / A1652 / A1681 / A1689 約48万1000台 発火・爆発の報告33件、軽度のやけど4件、重大な物損1件。A1681・A1689はZolo Power Bank(20K, 30W)で、日本国内のリコール発表には含まれていません

自分の製品が対象か確認する3ステップ

手持ちのAnker製品がリコール対象かどうかを確かめる手順です。判定方法は型番によって異なるため、ステップ2で分岐します。

1
型番を確認する

製品本体の背面・側面・底面のいずれかに、製品名と、その次の行に「A」から始まる4桁の品番が印字されています。モバイルバッテリーなら A1263、A1647 など、スピーカーなら A3117、A3305 などの形式です。パッケージや取扱説明書、Amazon・楽天の注文履歴からも確認できます。

Anker Japan 公式アプリを使っている場合は、アカウントにひもづいた登録製品の一覧からも確認できます。

2
型番に応じた方法で対象判定する
  • A1647・A1642・A1652 の場合:2025年6月26日までに購入していれば対象です。シリアルナンバーの照合は不要で、そのまま受付フォームへ進めます。
  • A1257 の場合:シリアルナンバーの照合が必須です。製品本体の「SN:」以降の、Aから始まる16桁の英数字を受付フォームに入力してください。購入時期ではなく、この判定結果が対象かどうかを決めます。ふるさと納税で受け取った製品(表面にチャージングマークの印字あり)は専用フォームから手続きします。
  • A1263・A3117・A3130・A3305 の場合:シリアルナンバーの照合が必要です。A1263でシリアルナンバーが8桁表記の製品は、対象期間より前の販売品のため対象外です。
  • A1366 の場合:2022年11月17日の発売以降に購入したものが対象です。専用の受付フォームから申し込みます。
  • 型番が一覧にない、類似製品で判断がつかない場合:シリアルナンバーを入力すれば対象かどうか判定できます。

入力時は文字の読み間違いに注意してください。「1」と「L」「I」、「2」と「Z」、「0」と「O」は混同しやすい組み合わせです。シリアルナンバーに使われない文字は入力できない仕様になっています。

3
判定できない場合は電話で確認する

シリアルナンバーの印字がかすれて読めない、消えている、すでに膨張していて確認が不安——such な場合は窓口に連絡してください。問い合わせの際は、購入時期が対象期間に該当することがわかるもの(注文履歴など)を手元に用意しておくとスムーズです。

  • A1257 / A1642 / A1647 / A1652 / A1263 / A3117 / A3130 / A3305:0120-775-171(フリーダイヤル/9:00〜17:00/土日祝含む)
  • A1366:0120-253-004(平日9:00〜17:00/土日祝を除く)

電話がつながりにくい場合は、公式サイトの回収に関するFAQも用意されています。メール(support@anker.com)でも受け付けています。

確認後の分岐
「対象外」と判定された場合:そのまま使用を継続できます。ただし膨張・変色・異臭がないか定期的に外観をチェックしてください。異常があれば型番に関係なく使用を中止します。
「対象」と判定された場合:直ちに使用を中止し、次の章の手順で交換・返金を進めてください。判定と回収が済むまで製品を捨てないことが重要です。

対象だった場合——交換・返金の手続きと流れ

対応内容は発表時期によって異なります
2023年2月発表分(A1366):回収・返金(一律9,990円税込)
2025年6月発表分(A1257・A1642・A1647・A1652):交換または返金を選択
2025年10月発表分(A1263・A3117・A3130・A3305):交換対応
公式フォームで型番ごとの案内を確認してください。

回収・交換の基本フロー

1
使用をすぐ中止し、安全な場所に置く

見た目に異常がなくても充電・給電をやめます。バッグの中や車内など高温になる場所に放置せず、可燃物のそばを避けて保管してください。

2
受付フォームまたは電話で申し込む

型番に応じたフォームから、必要情報を入力して送信します。2025年6月発表分では、この段階で交換か返金かを選択します。

3
回収キットの到着を待つ

申込住所に回収キットが届きます。内容は対象グループによって異なります。

  • A1366:レターパックプラス+発送に係る案内
  • 2025年6月発表分:レターパックプラス+耐火シートまたは耐火バッグ
  • 2025年10月発表分:レターパックプラスまたは着払い伝票+耐火シートまたは耐火バッグ+案内状

目安は申込から2週間以内ですが、申し込み状況により1ヶ月ほどかかる場合があります。回収する個数によっては、レターパックプラスが複数枚送られてくることもあります。

4
同封の案内に従って製品を返送する

耐火シートや耐火バッグが同封されている場合は、それで製品を包んでから返送します。外箱や付属ケーブルの返送は不要で、送料の負担もありません。梱包方法はグループごとに異なるため、必ず同封された案内に従ってください。返送前に自分で処分してしまうと手続きが進められなくなります。

5
交換品の到着または返金を確認する

返送品の到着確認後、順次手続きが行われます。返金の場合は購入先に関わらず銀行口座への振込となり、ポイントを利用して購入した場合も全額振込で返金されます。

交換品の保証期間はどうなるか

交換品には、Ankerからの発送日を起点として通常の保証期間18ヶ月が新たに適用されます。Anker Japan 公式オンラインストアの会員登録による6ヶ月の延長保証も同様に適用されるため、登録済みの方は実質24ヶ月です。元の製品の購入日から数えるわけではないので、この点で不利になることはありません。

Amazon・楽天など購入先経由で返品する場合

各プラットフォームの返品ポリシーが有効な期間内であれば、購入先へ直接返品することも可能です。ただしリコール案件はメーカー経由の手続きが確実です。対象機種かどうかの判定はアンカー・ジャパンが行っており、購入先の窓口では判断できません。またふるさと納税の返礼品として受け取った製品は購入先返品というルートが存在しないため、メーカーへの申し込みが唯一の手段になります。まずAnkerの受付フォームに進んでください。

今すぐ使用をやめるべき症状と緊急対処

リコール対象かどうかに関わらず、以下の症状が出ているモバイルバッテリーは直ちに使用を中止してください。リチウムイオン電池の劣化・損傷は発火・爆発につながります。

使用をすぐ中止すべき症状
  • 本体がふくらんでいる・変形している(膨張)
  • 充電中・使用中に異常に熱くなる(本体・接続機器・周囲を含む)
  • 焦げ臭い・酸っぱい臭いがする
  • 液体が漏れている・べたつく
  • 充電しても残量が全く増えない・すぐ0%になる
  • 本体にひびや亀裂が入っている
  • 使用中に「パチッ」などの異音がする

なお、消費者庁が公表している事故事例では、異音に気付いて確認したところ既に火災になっていたというケースが複数報告されています。聞き慣れない音がした時点で、通電をやめて確認することが重要です。

膨張・発熱時の緊急対処ステップ

  1. すぐにケーブルを抜き、充電・使用を中止する
  2. 可燃物(紙・布・木材など)から離れた場所に置く——棚や引き出しの中はNG。異常に気づけない場所に置かないでください
  3. 押す・穴を開ける・冷凍庫に入れることは絶対にしない——いずれも危険を増大させます
  4. 膨張が激しいときは、金属製の缶など不燃性の容器に移す
  5. その状態で回収窓口に連絡する——0120-775-171(9:00〜17:00/土日祝含む)
  6. 発煙・発火した場合は迷わず119番通報する
「膨らんでいるけど使える」は危険なサインです
膨張したリチウムイオン電池は、内部でガスが発生している状態です。この状態での使用継続や充電は発火リスクを大幅に高めます。保証期間内なら無償交換の対象になることがほとんどなので、早めに連絡してください。
リコール対象製品については、外観に異常がなくても使用を中止する必要があります。2026年に報告された火災事故についても事故原因およびリコール事象との関連は調査中ですが、消費者庁は未回収製品の使用を直ちに中止するよう求めています。

用語整理:リコール・自主回収・PSE不適合の違い

「リコール」「自主回収」「PSE不適合」は、ニュースでは混ざって使われがちですが、根拠となる法律も実施主体も異なります。情報を追うときの前提として整理しておきます。

3つの概念の違い

名称 主体 法的根拠 内容
重大製品事故の法定報告 製造・輸入事業者
→ 消費者庁
消費生活用製品安全法
第35条第1項
死亡・治療30日以上の負傷・後遺障害・一酸化炭素中毒・火災などが起きた場合、事業者は事故を知った日を含めて10日以内に消費者庁へ報告する義務がある。公表・注意喚起につながり、体制不備があれば行政指導も行われる
事故の調査・情報収集 NITE
(製品評価技術基盤機構)
製品事故情報の収集、原因分析、再現実験、注意喚起の発信などを行う。法定報告先ではないが、事故事例を調べる際の情報源として有用
自主回収 メーカー・輸入者 企業判断(任意) 安全上の懸念が判明した時点で、メーカーが自主的に無償交換・返金を実施する。公的機関のリコール情報データベースに登録される場合も多い
PSE不適合による流通停止 経済産業省
+事業者
電気用品安全法(PSE法) PSEマークの表示がない、または技術基準に適合していない製品の販売停止・回収
Ankerのケースはどれに当たるか
Ankerの各案件は、企業判断による「自主回収」として始まりました。一方で消費者庁のリコール情報サイトおよび経済産業省の製品安全ガイドにリコール情報として登録され、さらに経済産業省の行政指導も受けています。つまり「メーカーの任意の交換対応」に留まらず、公的に把握・監督されているリコール案件として扱うのが正確です。なお本件はPSE不適合が原因ではなく、PSEマークが表示された製品でセル製造工程などの不備が起きたケースです。

消費者庁・経済産業省での登録状況

本記事で扱っている案件は、発表時期ごとに複数の管理番号で消費者庁リコール情報サイトに登録されています。一覧だけでは見落としが出やすいので、番号ごとの対象製品を整理しておきます。

管理番号 登録されている製品 対応開始日
00000030413 Anker 535 Power Bank(PowerCore 20000)/A1366 2023年2月7日
00000032881 Anker 334 MagGo Battery(A1642)/Anker Power Bank 20000mAh(A1647) 2024年9月17日
00000034018 Anker Power Bank 10000mAh(A1257)/Anker MagGo Power Bank(A1652) 2025年6月26日
00000034462 Anker PowerCore 10000(A1263)/Soundcore 3(A3117)/Soundcore Motion X600(A3130)/Anker PowerConf S500(A3305) 2025年10月21日

あわせて、消費生活用製品安全法第35条第1項に基づく重大製品事故報告は、2025年10月21日時点で計41件が報告されています。なお公的機関の登録情報は更新のタイミングによって受付窓口などが古いままになっている場合があるため、実際に連絡する際はアンカー・ジャパン公式ページの記載を優先してください。

PSEマークとは

PSEは「電気用品安全法(Product Safety of Electrical Appliance and Materials)」に基づく安全マークです。経済産業省が2018年2月1日にモバイルバッテリー(ポータブルリチウムイオン蓄電池)を同法の規制対象に加え、1年の経過措置を経て2019年2月1日以降、PSE表示のないモバイルバッテリーを事業として製造・輸入・販売することはできなくなりました。中古品を事業として販売する場合も、表示の確認が必要です。

モバイルバッテリーは「特定電気用品以外の電気用品」に分類され、表示されるのは丸形のPSEマークです。ひし形は特定電気用品に付されるもので、モバイルバッテリー本体には使われません。またPSEは国から認証を「取得」する制度ではなく、事業者が技術基準への適合確認などの法令上の義務を履行したうえで、自らマークを表示する仕組みです。丸形PSEマークに加えて、届出事業者名・定格電圧・定格容量の表示も法律上必要です。

Ankerの正規品にはPSEマークが表示されていますが、並行輸入品や出所不明の製品は表示がない場合があり、その場合は法律上そもそも国内で事業として販売できない製品ということになります。

リコール対象でないバッテリーの正しい捨て方

リコール判定が済むまでは捨てないでください
リコール対象の可能性がある製品を先に処分してしまうと、交換品の受け取りや返金ができなくなります。自治体の回収や家電量販店の回収ボックスに出す前に、必ず受付フォームまたは電話で対象かどうかを確認してください。

膨張・破損したバッテリーは、通常の不燃ごみとして捨てることはできません。対象外と判定された製品、あるいはAnker製以外の不要なバッテリーは、以下の方法で処分します。

  • Anker Store(直営店)の回収ボックス:アンカー・ジャパンは2026年2月から、全国のAnker Storeに使用済み自社製モバイルバッテリーの回収ボックスを順次設置しています。一部の家電量販店にも設置が進められています。破損や故障がある製品も対象です。
  • Anker Japan 公式オンラインストア(郵送):期間限定の下取り・回収キャンペーンが実施されることがあります。過去には2026年2月18日〜3月31日に、2024年12月31日までに購入したAnkerの全モバイルバッテリーを対象とした回収が行われ、参加者には公式ストアで使える30%OFFクーポンが提供されました。最新の実施状況は公式サイトで確認してください。
  • 家電量販店の小型充電式電池回収ボックス:多くの店舗に設置されていますが、膨張・損傷品は受け付けていない店舗もあるため、持ち込む前に電話で確認してください。
  • 自治体の特定品目回収窓口:市区町村によって対応が分かれます。膨張・損傷品は危険物として扱われる場合があるため、環境担当窓口に事前相談してください。

いずれの方法でも、端子部分をビニールテープなどで絶縁してから持ち込むのが基本です。ごみ収集車や処理施設での火災は、絶縁されていないバッテリーが原因になるケースが多く報告されています。

買うとき・使うときにリスクを下げるポイント

先に前提を整理しておきます。今回の一連のリコールは、PSEマークが表示された正規品で発生しました。したがって「正規ルートで買えば絶対に安全」とは言えません。ただし並行輸入品や出所不明の製品には、それとは別の(そして避けられる)リスクが存在します。以下は「今回のリコールを防ぐ方法」ではなく、それ以外のリスクを減らすための確認項目として読んでください。

購入時に確認したい項目

確認項目 確認方法 目安
PSE表示 製品本体・パッケージの表示 丸形のPSEマークと、届出事業者名・定格電圧・定格容量の表示がある
販売元 Amazon商品ページの「販売元」欄 「AnkerDirect」または「Anker Japan」が販売・発送
容量表示 商品ページ・本体ラベル mAhだけでなくWh(ワット時)表示もある
保証 購入経路 18ヶ月保証を受けるにはAnker公式または正規販売店での購入が必要
危険サイン 価格・出品者 相場から極端に安い、出品者情報が不明——並行輸入品や模倣品の可能性

劣化・発火リスクを高める使い方

ブランドを問わず、以下の使い方は電池セルの劣化を早め、事故のリスクを高めます。

  • 高温の場所(車内・直射日光の当たる窓際など)に長時間放置する
  • 100%満充電のまま長期間保管する(保管は50〜80%程度が推奨)
  • 落下や強い衝撃を与えた後、そのまま使い続ける
  • 充電しながら大電力の機器へ給電し続ける
  • 認証を受けていない粗悪なケーブルで充電する
  • 就寝中や外出中など、異常に気づけない状況で充電しっぱなしにする

行政指導後、Ankerは何を変えたのか

2025年10月21日の行政指導を受けて、アンカー・ジャパンは以下の対応を公表しています。今後同社製品を選ぶかどうかを判断する材料として、事実関係を整理します。

  • サプライヤーとの契約終了:問題のセル製造サプライヤーとの契約を終了。他のセル製造サプライヤーに対する管理体制と工場の環境整備を厳格化したとしています。
  • 検品体制の見直し:製造時の品質・テスト基準の厳格化、出荷前検品の体制見直しと検品項目の厳格化を進めているとしています。
  • サプライヤー選定基準の見直し:Ankerグループ側の管理・監督体制が不十分だったことを認め、選定基準と社内規定を強化。
  • 経済産業省の評価:同社からの報告を受け、経済産業省は2026年1月に「製品安全の向上に資するもの」と一定の評価を示しました。
  • 回収・啓発の強化:2026年2月からAnker Storeへの回収ボックス設置、リチウムイオン電池の安全啓発キャラクターの展開、他社製品も含めた店舗回収の実証実験などを実施しています。

これらはいずれもメーカー側の公表内容であり、将来の安全性を保証するものではありません。また前述のとおり、2026年に入ってからも未回収製品による火災等の重大製品事故が公表されており、回収率も製品によって半数程度にとどまっています。一方で、行政指導から報告・評価という手続きが公開の場で進んでいることは、購入判断において確認できる事実です。

緊急時と、メーカーと話が進まないときの連絡先

火災・やけどなどの緊急時は119番
発煙・発火した場合、または、やけどなど緊急の負傷がある場合は、まず119番へ通報してください。消費者ホットライン188は消費生活相談の窓口であり、火災や救急には対応していません。

製品事故後の事業者対応、返金、補償といった消費生活上の相談は、以下の窓口を利用できます。

窓口 連絡先 内容
消防・救急 119 発煙・発火・やけどなど、緊急を要する事態
アンカー・ジャパン 受付窓口 0120-775-171
A1366は0120-253-004
対象判定、回収・交換・返金の手続き。まずはここに連絡するのが最短です
消費者ホットライン 188
いやや
事業者対応・返金・補償などの消費生活相談。郵便番号を入力すると地域の消費生活センターにつながります。相談は無料(通話料は自己負担)。年末年始を除き原則毎日利用可能で、土日祝に地元の窓口が閉まっている場合は国民生活センターが受け付けます
各地の消費生活センター 地域ごとに異なる 直接かけたほうが通話料が安く済む場合があります。連絡先は国民生活センターのサイト(kokusen.go.jp/map/)で検索できます
消費者庁 リコール情報サイト recall.caa.go.jp 対応方法・対応開始日・製品画像などの公式登録情報を確認できます。メール配信サービスもあります
NITE 製品安全センター nite.go.jp 製品事故情報の収集や原因分析を行っており、過去の事故事例や再現実験の映像を確認できます

なお、重大製品事故の法定報告は製造・輸入事業者が消費者庁に対して行うものです。消費者が事故に遭った場合は、まずメーカー窓口へ連絡し、対応に納得できない場合や助言が必要な場合に188を利用するのが実務的な流れになります。

事故が起きたら記録を残してください
焼損した製品と周辺の写真、購入時の注文履歴、型番とシリアルナンバー、メーカーとのやりとりの記録。これらは交渉や保険の請求で必要になります。製品そのものも、指示があるまで処分しないでください。

よくある質問

Q. Ankerのモバイルバッテリーが発火したというニュースを見たが本当?
A. 事実です。アンカー・ジャパンは国内で発生した発火事象を受けて2025年10月に4製品のリコールを発表しており、この時点で消費生活用製品安全法に基づく重大製品事故報告は計41件に達していました。2026年に入ってからも、消費者庁はリコール対象製品による火災等の事故を複数回公表しています(1月6日、2月3日、4月24日、5月29日、7月14日など)。なお、経済産業省による行政指導は、それ以前の2025年10月21日に行われています。お手元の製品が対象かどうかは、本記事の対象一覧で型番を確認したうえで、型番に応じた方法で判定してください。
Q. リコール対象だったが、まだ普通に使えている。急いで交換しなくても大丈夫?
A. 見た目や動作に異常がなくても、直ちに使用を中止してください。リコールの理由はバッテリーセル内部の製造上の不備であり、外観からは判断できません。消費者庁も、回収・交換を受けていないユーザーに対して使用中止と問い合わせを求めています。
Q. 交換ではなく返金してほしい。選べる?
A. 発表時期によって異なります。2025年6月発表分(A1257・A1642・A1647・A1652)は、手続きの中で交換か返金かを選択できます。2025年10月発表分(A1263・A3117・A3130・A3305)は交換対応のみで、返金の選択肢は案内されていません。2023年2月発表分のA1366は返金対応(一律9,990円税込)です。
Q. A1263を交換すると、同じ製品が届くの?
A. いいえ。Anker PowerCore 10000(A1263)は販売終了モデルのため、上位モデルの Anker Power Bank(10000mAh, 30W)への交換となります。交換後のカラーはブラックのみです。スピーカー3製品については、購入時と同一カラーの新品と交換されます。
Q. 保証期間の18ヶ月を過ぎていても膨張の相談はできる?
A. 相談は可能です。膨張・発熱・異臭といった安全性に関わる不具合については、保証期間外でも個別に相談を受け付けているケースがあります。型番・購入日・症状を伝えて確認してください。ただし対応内容はケースバイケースです。なおリコール対象製品であれば、対象条件に該当する限り、保証期間に関係なく回収・交換または返金の対象になります。
Q. Amazonのセラーから買った並行輸入品のAnkerはサポート対象外?
A. Ankerの18ヶ月保証は、Anker公式または正規販売店(AnkerDirect等)で購入した製品が対象です。並行輸入品や非正規品は保証対象外となる可能性が高く、PSEマークの表示がない場合は安全上のリスクもあります。
ただしリコールは別で、判定フォームの対象は「日本で販売された製品」です。日本国内の正規販路で購入していれば、経路に関係なく対象条件に合致すれば回収されます。一方、海外で購入した製品は日本の判定フォームの対象外となるため、購入した国での案内を確認してください。
Q. リコール対象ではない製品のバッテリーが膨らんだ。対応してもらえる?
A. 保証期間内であれば、膨張は不具合として無償交換の対象になることがほとんどです。保証期間外でも安全に関わる事象として相談に応じてもらえる場合があります。使用を中止したうえで、型番と症状を伝えて指示を仰いでください。廃棄方法についても同時に確認するとスムーズです。
Q. 対象外と判定された。この古いバッテリーはどう捨てればいい?
A. 通常の不燃ごみには出せません。全国のAnker Storeに順次設置されている回収ボックス、家電量販店の小型充電式電池回収ボックス、または自治体の特定品目回収窓口を利用してください。膨張・損傷している場合は回収を断られることがあるため、持ち込む前に電話で確認するのが確実です。端子はビニールテープなどで絶縁してから持ち込んでください。
Q. リコール対象製品を、もう捨ててしまった。交換や返金は受けられない?
A. 製品本体がないと手続きが難しくなりますが、諦める前に窓口(0120-775-171、A1366は0120-253-004)に相談してください。購入履歴やシリアルナンバーの記録が残っていれば、対応を検討してもらえる可能性があります。

今すぐ確認すること——手順と連絡先まとめ

  1. 本体の型番を確認する——背面・側面・底面に「A」から始まる4桁の品番
  2. 本記事の対象一覧で、どのグループに該当するか照合する——2023年2月発表分1製品、2024年9月・2025年6月発表分4製品、2025年10月発表分4製品
  3. 型番に応じた方法で判定する——A1257および2025年10月発表の4製品はシリアルナンバー照合が必要。A1647・A1642・A1652は2025年6月26日までの購入で全製品が対象、A1366は2022年11月17日以降の購入が対象
  4. 対象と判定されたら、直ちに使用を中止して申し込む——0120-775-171(9:00〜17:00/土日祝含む)、A1366のみ0120-253-004(平日9:00〜17:00/土日祝を除く)
  5. 対応内容を確認する——2025年6月発表分は交換または返金、2025年10月発表分は交換、A1366は返金
  6. 膨張・発熱・異臭がある場合は充電を止め、可燃物から離す——押す・穴を開ける・冷凍庫に入れるのはいずれも危険
  7. 発煙・発火・やけどがある場合は119番。事業者対応や返金の相談は消費者ホットライン188へ
判定と回収が済むまで製品を捨てないでください
リコール対象と判定された製品は、アンカー・ジャパンからの案内に従って返送します。判定前に自治体回収や店頭の回収ボックスに出してしまうと、交換・返金の手続きが進められなくなる可能性があります。まずフォームまたは電話で照合してください。
本記事で参照した一次情報
・アンカー・ジャパン 製品回収情報:ankerjapan.com/pages/product-support
・回収受付フォーム(A1366):a1366-support
・回収受付フォーム(2025年6月発表分):202506-support
・回収受付フォーム(2025年10月発表分):202510-support
・消費者庁 リコール情報サイト:recall.caa.go.jp
・消費者庁 重大製品事故の公表:caa.go.jp
・経済産業省 製品安全ガイド リコール情報(リチウム電池使用製品):meti.go.jp/product_safety/
・経済産業省 モバイルバッテリーに関するFAQ(電気用品安全法):meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/
・NITE 製品安全:nite.go.jp
・国民生活センター 全国の消費生活センター等:kokusen.go.jp/map/
・米国CPSC リコール情報(Anker Power Banks / 25-466 ほか)

本記事は2026年7月30日時点の公開情報をもとに作成しています。リコールの対象範囲・受付窓口・対応内容は随時更新されるため、最終判断は必ず消費者庁リコール情報サイトおよびアンカー・ジャパン公式の受付フォームでご確認ください。本記事の情報をもとにした判断による損害について、当サイトは責任を負いかねます。

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